システムエンジニアが活躍できる業界「ゲーム業界」

システムエンジニアを徹底分析

伸び盛りのゲーム業界

伸び盛りのゲーム業界 ゲーム業界におけるシステムエンジニアの立ち位置は、他の業界とは少し違います。ゲームを開発する工程と業務系のシステム開発の工程がそもそも大きく異なるからです。今回はゲーム業界でシステムエンジニアがどう活躍していくかについて紹介します。

ゲーム開発はトライ&エラーが基本

ゲーム業界ではシステムエンジニアの役割が他の業界ほどはっきりしていません。ゲーム業界以外の一般的なシステム作りは「ウォーターフォール型」と呼ばれる方法で開発されています。ウォーターフォール型は、クライアントの要望を基にシステムエンジニアが設計図を描き、プログラマーがシステムを実装していくという工程を指します。矢印の流れが一直線で、基本的に工程が進めば前の工程に戻ることはありません。
一方ゲーム業界では「アジャイル開発」と呼ばれる方法を採用しています。まずはプロトタイプのゲームをいくつか作り、良ければ採用してリリース、ダメなものはお蔵入りとします。同時にリリースしたものは完成形ではなく、その後もトライ&エラーを繰り返し、ユーザーのニーズに答えられるよう改良を重ねます。ウォーターフォール型の開発では設計図を描くシステムエンジニアが仕事の中心的存在になりますが、アジャイル型の開発では、ディレクターやメインプログラマー、プランナーなどが主導権を握ります。

システムエンジニアは影の実力者

なぜゲーム業界ではシステムエンジニアが主導権を握り、一直線に開発を行わないのでしょうか。それは一般的な業務システムのクライアントが企業や公共団体などであるのに対し、ゲーム業界のクライアントは最終的には「ゲームユーザー」だからです。いかに優れた滞りのないシステムが搭載されていても、おもしろくないゲームには需要がありません。ゲーム業界ではおもしろいゲームを作るために、まずひとつのゲームをいくつかの方法で作り、リリースをしてユーザーの様子を伺いながら、ニーズに合うように改良を繰り返す必要があります。ゲーム開発の現場では、スムーズでエラーが出ないシステム作りの前に、ユーザーが夢中になるおもしろさが追及されます。
システムエンジニアの出番は、ユーザーが満足できるゲームの開発がある程度進んだ段階以降になり、ゲームがヒットした時も評価されるのはディレクターやプランナー中心です。ゲーム開発の現場においては、システムエンジニアは影の仕事をする縁の下の力持ち役を演じることになるでしょう。

システムエンジニアの重要性も評価されている

ゲーム好きのユーザーがヒットしたゲームを評価する時は、ディレクターやプランナー、キャラクターデザインやゲーム音楽を手掛けた人を称賛するでしょう。しかしゲーム業界の現場では、システムエンジニアの仕事も高く評価されています。ゲームユーザーがいつでも楽しくゲームをするためには、安定したゲームサーバーの存在が重要です。ゲームサーバーが不安定でバグが出る、ユーザーの情報が消去されるなどの不具合が生じたら、いかにゲームが面白くてもゲームをするのを止めてしまうでしょう。このように裏方の仕事というイメージがあるサーバーシステム作りの仕事は、現場では高く評価されます。