安全性が必要な医療業界
医療業界でもIT化は進んでいて、情報システムや電子カルテなどのシステム作りや直接医療行為をするためのシステム作りも行われます。医療業界でシステムエンジニアが活躍するためには、構築するシステムの「安全性」を最重要視することが必要です。システムエラーが人命を左右する可能性がある仕事だからです。
医療現場の様々なシステム
医療現場で使用されるコンピューターを使ったシステムは様々な種類があります。医療行政に関する情報システムや救急医療のための情報システム、電子カルテなどの医療サービスに関係する情報システムもあります。医療は国や一般企業にとって重要なジャンルですので、厚生労働省や産業界が様々な情報システム構築のための機関を用意しています。厚生労働省には「医療情報システム開発センター」が、産業界には「保健医療福祉情報システム工業会」などがあります。それぞれの機関や団体には独自の指針や規定があり、仕事を依頼されたシステムエンジニアはそれぞれの規格に沿ったシステム作りを求められます。
とにかく安全性最優先
医療現場で使用されるシステムの構築を任された時に考えることは、「安全性最優先」ということです。万が一システムエラーが出た時の最悪の状況まで考えた上で、安全性の高いシステムの構築を心掛ける必要があります。特に医療行為に直接関係するシステム作りには要注意です。「遠隔治療用のシステム」「院内情報システム」「検体管理システム」など、エラーや誤作動が出た時には医療事故になってしまう可能性が高いシステムもあります。安全性の高いシステム作りはもちろんですが、安全な運用管理もシステムエンジニアに求められる仕事の一つでしょう。
また電子カルテのシステム作りも重要な仕事です。生涯失われることなく安全に保管でき、医療機関同士が臨機応変にデータ交換をすることでスムーズな治療が可能になります。複数の医療機関がいつでも閲覧できるシステム作りと個人情報を取り扱う法律の遵守を両立するという、繊細なシステム作りが必要になります。
将来の医療業界のために
医療業界のIT化は今後もさらに進んでいくはずです。インターネットとデバイスを経由して、自宅で自分の健康状態をチェックする時代も来るかもしれません。小型のライフレコーダーのような診断機器を使用し、自分の健康状態を測り、その情報を医療機関に送信すると医師の診断結果がメールや動画で送られてくる…そのようなシステム作りが今後進んで行くかもしれません。また企業に義務付けられている従業員の健康診断に関するシステム作りのさらなる進化も求められるでしょう。自宅や出先で医師の問診を受けられるようなコミュニケーション型の医療システムの構築を担うことになるかもしれません。
このような最先端のシステムを関連法規に違反せず、安全性を最優先しながら構築するスキルが、医療業界で活躍するシステムエンジニアには求められていくでしょう。
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